2010年12月5日日曜日

人の影響力

昨日、高校時代の友人のG君の招待で、演劇グループ、加藤健一事務所の集まりに参加してきました。

今回は、加藤事務所の運営する俳優養成学校の訓練生に12年間引き継がれてきた、視覚障害者のための事前舞台説明活動に対して、感謝の気持ちをまとめてた朗読劇でした。

この台本は友人のG君が書いたのですが、あらすじは以下のとおりです。

どんどん見えなくなる視界、落ち込みながら、家のベランダでぼんやり、遠くを眺めながら煙草をふかしていたSさん。

「これから、今まで普通にできていたことが出来なくなるのか。。。。。」
「大好きな演劇も見れなくなるのかなあ。。。。あきらめが肝心かなあ。。。」

「待てよ、舞台が見えなくても、演劇を見ても良いではないか!すべてはわからなくても、楽しめるかもしれない。でも、セリフに無い部分はどうするんだ?舞台装置や、セットはどうなってるかわからないじゃないか。」

Sさんは、居てもたっても居られなくなり、ファンだった、加藤健一事務所に電話をかけました。
すべては、この電話一本から始まりました。

紆余曲折はあったものの、この電話をきっかけに、視覚障害者のための観劇会が始まりました。

一般開演の前に30分ほど時間をとって、舞台装置の配置、全体の雰囲気など、俳優学校の訓練生が説明してくれるのです。
とは言っても、言葉だけで見えない人たちに説明するのはたいへん。位置関係を説明するだけでも、へたをすると、頭の中で混乱してしまいます。そこで編み出したのが、時計の時刻方向を使って、これと足音など音を組み合わせて説明する方法でした。

訓練生のたゆまぬ努力により、今では、視覚障害者でも、各自の想像力を膨らませながら、各自自分たちの想像と組み合わせ、頭の中で自分たちの劇を作り上げていくという新しいアートの世界が生まれました。

今では、東京の他の劇場や劇団でもこの「舞台説明」活動は広がっていきました。
Sさんがあの時、発想を変えて、目が見えなくても演劇を楽しんでも良いじゃないか!と、思い立たなければ、このような世界は生まれなかったと思います。

「意思のあるところ、道はある。」これはですね。
できないと思って、できた人は居ない、そこに意思があったから、その夢が実現する。

残念ながら、加藤事務所の演劇訓練学校は今年度いっぱいで閉鎖されることになったそうです。
でも、彼らの意思は必ずや引き継がれて、日本全国に広がるのだと思います。
演劇だけでなく、音楽コンサートなど、いくらでも応用できますからね。

最後にこの台本を作ってくれ、会を企画してくれたGくん、ありがとう。

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