2011年1月23日日曜日

フェルマーの最終定理

YouTubeでたまたま見つけたNHKスペシャルで、フェルマーの最終定理の番組をやっていた。
アンドリュー・ワイズ氏は7年かかって、300年以上も天才数学者たちが立ち向かっても歯が立たなかった定理を証明したというのです。
xn + yn = zn (nの部分はべき乗です) n=2はご存じピタゴラスの定理ですが、2以外の整数でこれを満たす数字は無いという、ことを証明するわけですが、これに一生をかけて取り組むというのはすごいことですね。300余年の間に、一生をかけて、取り組んで、証明できなかった数学者がたくさんいるわけで、人生すべてかけて、徒労に終わるというのは他の人から見れば、なんで?と思うわけですが、それだけ情熱をかけ続けることができるというのがすごい。

紙と鉛筆だけで、業績をあげることができる、これはすごいことです。
また、この定理を証明する、基本的な考え方は日本人、谷村、志村、両氏が考えた理論が元になっていたというのもすごい。

敗戦後、何も無い日本で、紙と鉛筆があれば、世界をあっと言わせる研究ができる数学と、原子物理の世界で著名な日本人研究者が出たのは、偶然ではないでしょう。なんら一次資源の無い日本がここまでの経済大国になったのは、紙と鉛筆で頑張ったからです。日本人の頑張る能力というのはすごいなあと思う、今日、このごろです。

今の世の中ではコンピュータソフトが似てますよね。たとえパソコンが無くても、紙と鉛筆があれば、画期的なソフトは作れますからね。半導体設計もそうすね。回路設計は頭の中だけでできるので、紙と鉛筆があればOKです。

思い起こせば、大学を出たばかりで、機械の設計を始めたとき、当時は紙に鉛筆で図面を書き、頭の中で考えた機構を紙に表記する。それを試作工場に出すと、なんと、動く機械が出来てくるのを目の当たりにしたとき、あのショックはわすれられません。紙と鉛筆で考えた機械が、一台200万円もする機械が出来てくるんですよ。紙と鉛筆の代金はおそらく2000円以下、それが一台200万円!2000倍の付加価値がついたことになります。機械は何千台も生産しますから、5000台としても、10000000倍の付加価値!これが、日本が経済大国になった理由なのでしょうか。結局、人間の頭脳が付加価値を生む。

しかし、これらの優秀な学者が出たのも実は戦前の教育を受けていたからなのかもしれません。ソフトも、半導体設計もアメリカなどに負けているような気がします。戦後教育ははたして、そのような画期的な発想、業績を残す野心家的教育が出来ていたのかと、少し心配になります。
がんばれ日本の科学者!

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