2012年7月1日日曜日

中小企業は面白い

10年ほど前、神戸大の経営学の先生が講義で、日本の社会は世界でもまれにみる、下克上の可能な社会であるが、ものすごく細分化された、序列が人々を縛り付けていると言っていた。

勤めている企業で、Aさんの勤めているX社は業界2位で、3位のY社に努めているBさんより奥さんは鼻が高いし、近所の人の見方も良いといった感じである。所属している団体の優劣でその人個人の偉さが測られてしまう場合が多いのではないでしょうか。

国会では政治家の先生方は脆弱な弱者である、中小企業はこんなに困っているので、優遇しなければならない。と、日本の大半を占める中小企業の票田を取るために、しきりと、中小企業=弱者と宣伝してまわる。

当然、就活中の大学生も、弱者で身分地位の低い中小企業よりも、知名度が高く、だれに話しても「ほー」と言われる大企業を目指すこととなるのでしょう。

昨日、神戸市図書館から「日本でいちばん大切にしたい会社」を借りてきました。
これらの会社はほとんどが中小企業です。ここで働いている社員は何も知らない前出の理論にがんじがらめの世間の人から見ると、大手に就職できなかった弱小零細企業に勤める気の毒な人々と映るのかもしれません。

昔、シリコンバレーで働いていたとき、家賃700ドルのガレージに毛の生えたような零細企業で生き生きと仕事をしている連中をたくさん見てきました。一流大学を出て、このような企業で働いている若者もたくさんいました。もっとも、アメリカでは一流大学を出ただけで大企業に就職できるという方程式はありません。

やはり、自分、個人が社会に対してどのような価値を与えることができるのか、それを実現するためには大企業が良いのか、中小が良いのか、はたまた、起業するのが良いのか、すべてが、個人を中心に価値観が判断されます。

COSYも中小企業ですが、いろいろ大手から中小まで、取引先がありますが、下請けと見下げる企業や担当者も居ますし、大企業でも、Respectしてみてくれる担当者が居ます。

前出の本に出てくるような企業は社会、特に地元コミュニティーから見て、無くてはならない企業です。無くてはならない企業、特にお客様から見て無くなってしまうと困る企業はつぶれるわけがありません。

何のために存在する企業なのか、もちろん、社員と地域のために企業です。というのは大いにありです。今の多くの日本企業の衰退はこれを見失っているから、苦境に陥っているんだと思います。
売上、利益を上げるのが目的となると、存在価値は二の次になります。

無くてはならない企業であるから、売上も上がるし、利益も出る。特に大手企業ではすべてが逆になってきているのではないでしょうか。

売上を上げなければならない→他社と差別化しようとする→わからない→もうかっている差別化分野でがんばっている中小企業があると、大手がそこに参入する。不毛な営みです。付加価値を作るより、利益に食いつく。これは問題です。

ロボット掃除機が売れた!→わが社も掃除機を作っているから、ロボット掃除機だ→2番手だから安く良いものを!→似たような商品が市場にばらまかれる→価格競争→その市場自体がもうからない市場になる。→さらなる技術革新の原資が得られない→小手先の改良、マーケティング部門の奇策がはびこる→顧客がその差別化や宣伝文句に反応しなくなる。→その事業部の採算性悪化→社員のリストラへ

COSYも社員や社会に無くてはならない会社になるよう頑張りたいものです。

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