各社の複合機、OA機器の節電方法のページを見ると、こぞって、スリープモードに移行する時間を短くしましょうと出ています。
本当にそうなんでしょうか。
このスリープモードというのは曲者で、印刷や、コピーを開始してから、紙が出てくるまでの時間を最短にするために、スリープモードから復帰するときに、フルパワーでヒーターランプを点灯させます。
通常、フルパワーで、1500W程度です。通常のオフィスでブレーカーが落ちない、ぎりぎりの15Aの電流が流れます。
フルパワーでヒーターランプを点灯させると、停止していると定着ローラーがメルトダウンしてしまうので、機械もフルパワー全開でモータを回します。もちろん冷却ファンも急速冷却モードです。
もし、スリープ移行時間を1分に設定したとしましょう。
Aさんがプリント指示を出しました。その信号を受けて、機械はフルパワー全開モードで印刷可能状態に短時間で復帰しようとします。この時一時的に2分程度、最大電流が流れます。
プリントが終了し、紙の通過により温度が下がった定着装置をReady状態に持っていくために、プリント終了後、しばらく、定着温度安定化モードに入ります。
Aさんがプリントして、約3分後に、再度スリープモードに入ります。
ここで、1分ほどで、定着部の温度が急激に下がります。
ここで、Bさんが別の印刷を開始したとします。
また、機械はフルパワー全開モードで定着部を印刷可能なレベルまで温度を上げます。
結局、1分でスリープモードに入るように設定して、例えば5分程度に一度、だれかが印刷すると、スリープモードにしない設定にしていた場合よりも、はるかに多くの電力を消費してしまいます。
普通のオフィスなら10分に一人くらい印刷する場合はスリープモードは百害あって一利なしだと思います。
特に、オフィスの印刷機器を複合機に集約化しているオフィスなら、スリープモードへの設定は気を付けたほうが良いかと思います。1分なんて設定したら大変なことになります。
20分に一人印刷やコピーをする程度のオフィスなら、10分程度でスリープにしておけば十分でしょう。
スリープモード1分に指定して良いのは、印刷頻度の少ないオフィスのみ有効だと思われます。
とにかく、印刷しない、させない。これが消費電力削減の王道です。
残念なことに、弊社が調査した結果ではほとんどの会社で、大量印刷するユーザーは決まっています。
基幹システム出力など、仕方がない人も居ますが、必ず、なんでもかんでも印刷する困った人は居ます。さらに困ったことに、これらの人に自覚が無いケースがほとんどです。
ですから、躾、警告が必要になってくるのだと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿